2015年11月20日金曜日

今日のレシピ - 1


 私は単身赴任歴が長く、四半世紀以上に及びます。そして大部分の食事は自分で作っていました。時には食材というか、いくつかの植物(主にハーブ類)は自分で育てて、そこから作っていました。最近は健康に多少とも注意を払うようになりましたので、作る食事もどちらかというとヘルシーなものが多くなってきています。ですから、簡単に出来て美味しいものをいくつかご紹介していきましょう。今日はまず椎茸と鶏挽肉を使った一品です。分量は書きません。私は自分で作るときに分量を考えた事がないので、分かりませんが、料理に手馴れた人ならなんとなく作れるはずです。

 用意するものは鶏挽肉、梅干、椎茸、片栗粉、食用油、好みでおろし生姜
    椎茸は傘の開いた奴で半径が大きく、薄手のものが良い。鶏挽肉は旨肉でも腿肉でもどちらでも良い。梅干は昔ながらの塩分17%の奴。蜂蜜などを加えて、そのまま食べられるものは不適当です。
    椎茸の足を切り落とし、お皿の形状にしておく。
    挽肉に梅干の果肉を細かく刻んだ奴を混ぜて練りこむ。さっぱりした味を好む人はおろし生姜を加えても良い。
    梅肉と挽肉のミックスを椎茸の傘に内側から貼り付ける。傘のヘリのうちに巻いたところに充分つめておけばはがれにくくなる。
    挽肉部分に片栗粉をまぶす。
    フライパンを加熱、油をたらして、そこに囲う椎茸を肉の部分を下にして並べる
    しばらく蓋をして蒸し焼き、少し焦げ目がついたら裏返して椎茸の部分も焼く
    お皿に盛り付けて食事に供する。

 別に秘伝というものはありません。誰でも同じように作れば同じように出来る。しいてコツを挙げれば、焦げ付き難いフライパンを用いることでしょうか。鶏挽肉は動物性油脂の含有量が少ないので、その点でヘルシー。椎茸と梅干は野菜だと強弁できるかもしれませんが、これらを野菜に含めて野菜を沢山摂っていると威張るよりも、ちゃんと常識的な野菜を摂ることをお奨めします。次回は生野菜の食べ方を中心に。


2015年11月13日金曜日

帯状疱疹後神経痛の予防


 予防についても少し述べておきます。米国での研究では水痘ワクチンを数万人の50歳以上の成人に接種することで、帯状疱疹の発症を対照群の半分に、痛みを残す人を3分の1に減らすことができたと主張する報告があります。2006年に、米国では60歳以上を対象とする帯状疱疹ワクチンとして承認されたこのワクチンはいわゆる「水ぼうそうのワクチン(水痘ワクチン)」のことであり、数十年前に日本でも研究開発されたワクチンです。

米国のみならずEUなど30カ国以上で「帯状疱疹の予防目的」で広く使われています。日本でも20034月に高齢者(50歳以上)に接種することが承認されましたが水痘と同じく任意接種なので自費となります。免疫力が落ちてくる60代以上の高齢者で、帯状疱疹をしたことがない人には帯状疱疹後神経痛を回避するためにもワクチンの使用が推奨されます。

免疫抑制剤を使用することになった患者さんで、帯状疱疹ワクチン接種を受けたもの・受けていないものを対照に前向きコホート研究を行った研究があります。それによると帯状疱疹の発生率は免疫抑制剤使用後において、ワクチン接種により約42%低下しました。帯状疱疹になる人はストレスや疲労により免疫力が下がっている状態なので、慢性的に不規則な生活を送る事や、過度の疲労、心労を要する作業を続ける事は控えた方が良いでしょう。規則正しい生活と、十分な栄養の摂取、心の安静が必要です。そうは言われても…という方が大半だと思いますが。

この病気に関しては、患部を冷やすのは逆効果であす。外傷ではなく神経の病気であるため、冷やすとかえってウイルスの働きを助長するのです。温湿布・カイロ等で温めるのも良い(乾燥肌の人は温めると痒みが現れるため、やめておいたほうが良い)でしょう。また温めることは、後のちの神経痛の予防にもなります。水ぶくれ(腫れ部分)が破れると細菌感染が起こりやすくなります。また、入浴に関しては自分で判断しないほうがいいでしょう。水ぶくれが破れた状態で入浴すると、患部に細菌が付着し、状態の悪化に繋がる恐れがあります。

帯状疱疹後の神経痛が出たら、まず神経ブロックを施行するのがいいでしょう。当院で何人もそのように治療して、痛みをとるという実績があります。薬物による徐痛には限りがあるようです。いつまでも飲み続け、塗布し続けなくてはならないようです。硬膜外ブロックだと標準的な場合だと7~8回ほど(運がよければ最初の2回ほど)で、痛みが余り気にならなくなり、痛み⇒痒みに変化し、その後数回でその痒みも忘れがちになります。そのあたりで2週間分程度の飲み薬で治療は終了するということになるのです。

 痛みや痒みなどの皮膚知覚は個人差が大きいので、痒い痒いといって創部を引っかいてそこから感染するということがたまに起こります。もしベースに糖尿病があると、その感染が重大なものになりかねませんので、痒いだけだなどと多寡を括らず、受診してください。

2015年11月5日木曜日

帯状疱疹後神経痛と治療-3


 アシクロビル、ビダラビン、バラシクロビルやファムシクロビルなどの抗ウイルス薬が有効で、点滴・内服による治療により治癒までの期間短縮が期待できます。ただし、抗ウイルス薬は水痘・帯状疱疹ウイルスの増殖抑制効果しかなく、病初期に投与しないと効果が期待できません。よって、症状を緩和する効果が主となります。同時に安静にして体力を回復することも大切です。適切な治療が行われれば、早ければ1週間ほどで水ぶくれはかさぶたになり治癒します。程度により水疱部が瘢痕化することもあります。

神経痛様疼痛は、治癒した後も後遺症として残ることがあります。眼と関係する顔面神経で神経痛様疼痛が発症した際に、適切な治療をしなければ視力に影響が出ることがあります。神経痛様疼痛に対する治療法は確立していませんので必要に応じ対症療法として神経節ブロック、理学療法、非ステロイド性抗炎症薬、抗うつ剤、抗けいれん薬、レーザー治療などによって対処することになります。帯状疱疹後神経痛の治療法具体例として以下のようなものが挙げられます。(※印は保険適応外)

薬物療法
ワクシニアウィルス接種家兎皮膚抽出液(ノイロトロピン®
抗うつ薬(アミトリプチリンなど)
非ステロイド性抗炎症薬(アセトアミノフェンなど)
漢方薬(桂枝加朮附湯など)
塩酸メキシレチン
プレガバリン(20104月、新薬が承認され、一定の効果を上げている)
局所療法
カプサイシン、アスピリン、硝酸イソソルビドなど外用
神経ブロック
イオントフォレーシス
低出力レーザー

帯状疱疹の出現している時の急性期疼痛に対しては、アセトアミノフェン、リン酸コデイン、アミトリプチリンが欧米で使用されているようです。また、副腎皮質ステロイドの全身投与も急性期の疼痛を除去する作用があります。アミトリプチリンは日本では保険適用外の抗うつ薬ですが、早期に投与することにより帯状疱疹後神経痛を予防する事が出来るというデータがあります。そのために特に60歳以上の患者に対して使用されているようです。