2017年9月6日水曜日

糖質中心の大食に伴う血糖値の変動



  せっかく連続血糖値測定装置をくっつけたので、ただ通常の食事をしてその時の血糖値の変化を記録しても面白くないと思いました。そこで、まず最初にやってみたのが大喰。何でもキリスト教文化圏では7つの大罪の一つに上げられており、大喰というのは単にがっついている様子がみっともないと言うレベルのことではなく、色欲、強欲、憂鬱、憤怒、怠惰、虚飾、傲慢と同列に置かれるものです。尤も、私など大罪と聞けば殺人とか、放火などを思い浮かべるので、キリスト者と私では罪の概念が違うのかもしれないですね。

 過食の実験をしたのは716日の昼食。この日の朝食は9時頃。野菜サラダ150gウィンナソーセージ2本、パン2切れで、朝食としては普段どおり。前日の夜にパスタ屋さんでやや遅い時刻(午後9時~10時)にサラダ、パン(何個食べてもOK)、パスタ、アイスクリームを食べました。妻と娘が一緒だったので、彼らの食べ残しも私が平らげたのがよくなかったようです。私が食べたパスタの量は多分1.5人前よりもやや多く、そのために就寝時刻になっても血糖値が低下傾向を見せず、午前2時から4時にかけて140を超えています。

 当日の朝のやや控えめな食事の後に血糖値が180を超えているのは前夜の不摂生が原因です。つまり、前の日の食事内容が翌日の食後血糖値に影響すると言うことでこれは危険です。なぜなら、常識的な食事で血糖値が跳ね上がると、今度はリバウンドで低血糖状態に追い込まれるからです。追い込まれるなどと言うと、まるで自分のせいではないようなので、こんな表現はだめですね。低血糖状態になると、イラつくし、冷や汗が出ることもあるし、食事をむさぼるように食べたくなるのです。

 この日の昼、そんな条件の中でホテルオークラの中に入っている中華屋さんでまたまた妻と娘の分も食べてしまいました。今度はパスタよりもストレートに血糖値に反映される内容の食べ物で、そのために血糖値が220になってしまいました。糖質はどうも中毒になるようで、いったんどこかで堰が切れるとどんどん沢山食べるようになる、そんなメカニズムが体の中に埋め込まれているのかもしれません。つまり過食⇒血糖値急上昇⇒インスリンの大量分泌⇒血糖値の急激な低下⇒低血糖発作⇒過食という悪循環です。

 この日は夕食を余りお腹がすいていない状態で8時過ぎに食べ始めましたが、昼食後の血糖値が低下するさなかにわずかの糖質を食べても血糖値に影響がありませんでした。今回の実験を通して分かったことがいくつかあります。まず、食べ過ぎた後、空腹になった状態で通常量の食事をとると、その食事で一過性の高血糖のスパイクが見られること。そしてその後にインスリンの過量分泌によって引き起こされる低血糖が襲い掛かると言うことです。

 もう一つ、糖質中心の過食の程度如何ではインスリンの分泌が間に合わず、高血糖状態が長時間持続すると言うことです。血液中のブドウ糖の内の0.01%ほどが環状構造から直鎖構造に移行して存在します。その直鎖の一方はアルデヒド基です。炭素が5つついた直鎖にアルデヒド基がついたのがブドウ糖、炭素一つの構造にアルデヒド基がついたのはアセトアルデヒドと言ってお酒が代謝されて最初に出来るものです。炭素なしでアルデヒド基に水素が一つだけくっついた奴は猛毒のホルマリン。

 ホルマリンの毒性が弱くなったものがアセトアルデヒドで、お酒はホルマリン程ではないけど、毒性があります。そしてブドウ糖もホルマリン程ではないけど毒性があります。分子量がアセトアルデヒドと比べるとブドウ糖のほうがずっと大きいので、その毒物の作用する場所が異なってきます。ブドウ糖が細い血管に作用するのに対してアセトアルデヒドは血管からしみ出て脳の中に直接影響します。だから、毎日お酒を飲んでいると大脳皮質が萎縮します。そうするとちょっと頭をぶつけただけで慢性硬膜下血腫になる危険が増します。

 一方、お酒が入ると肝臓がブドウ糖を合成しなくなるので、飲酒後には血糖値が下がります。その下がり具合は人によりけりで、少しのお酒でよく下がる人がいる一方、沢山飲んでもあまり下がらない人もいます。前者に該当するひとは多分週5日ほどの控えめな飲酒で糖尿病のリスクを押さえ込む効果があると想像されます。そして控えめな(毎日日本酒にして0.5合程度)飲酒でお酒の毒性が体を攻撃するほどでもない、そういった呑み方をする人が長寿になるのだと思われます。

 お酒を取るが、長寿をとるかと言うことではありません。程々にすることでお酒を楽しみながら健康に長生きできるので、ぐでんぐでんに酔っ払うまでお酒を飲むと言う習慣からそろそろ抜け出した方がいいのではないでしょうか。ほっぺたがほんのり温かくなる程度でやめておく、ちょっと物足りないかもしれませんが、慣れればこれが一番だと思うようになるでしょう。

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