2014年8月14日木曜日

腰痛や肩こりなど、痛みの悪循環

  体のあちこちにある痛覚のセンサーに刺戟が加わると、そのセンサーから神経を介して脳に痛みの情報が伝えられます。痛みは体の各部位に配置されたセンサーへの刺激の結果引き起こされるものです。それにどこか局所の痛みが発生すると、その部位の細い動脈が収縮して血行不良を引き起こし、組織が酸素不足になり、嫌気性代謝産物(若い頃など急な運動のあとの筋肉痛の原因になった物質=乳酸)が蓄積します。それがまた痛みの原因になるのです。

 そうなると、痛みの本来の原因が無くなっても、新たな原因で痛みが持続することがあります。痛みがいつまで経っても消えない。そういう痛みの場合、痛みの一番ひどいところに局所麻酔薬を注射することで一時的に痛みを消してしまえば、その間に血管が開き、その近傍の血流が再開し、嫌気性の代謝産物を洗い流すので、痛みが嘘の様に消えると言う事が時々見られます。痛みの大元の原因が残存する場合でも、本来の痛みだけになります。

 腰痛の場合は腰の周りの筋肉を鍛えて『筋肉のコルセット』を作り上げましょう。これは市販品のコルセットのように取り外しすることは出来ませんが、常にあなたの腰を守ってくれます。まだ腰椎の圧迫骨折が生じていなければ、この腰痛体操は有効です。腰痛などでお悩みの方は当院麻酔科を受診してください。腰痛体操による『筋肉コルセット』の鍛え方なども私が実演してご伝授いたします。

 先に述べた局所麻酔薬の注射は筋肉を覆う筋膜の直下に行うのがミソです。どこが筋膜か、微妙な手ごたえで分かるのです。すると少量の薬剤が広範囲に広がりますので効きがよい、無神経にその辺に注射針を刺して、薬剤を注入しても期待したほどの効果が見られません。誰がやっても同じような効果が出ると言う手技ではないので、トリガーポイント注射には手技に伴う結果の違いが出るのです。



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